この企画では、洋楽をさまざまな視点から楽しみながら、その魅力を深く味わっていきます。楽曲の歌詞やメロディ、MV、ダンス、衣装はもちろん、その時代の歴史や社会、トレンドなど、音楽にはたくさんのストーリーが詰まっています。いつも何気なく聴いている曲も、視点を少し変えるだけで、新しい発見があるかもしれません。
映画『ウィキッド ふたりの魔女』が3月7日に公開されましたね。みなさんはもう観ましたか? この作品を象徴する楽曲『Defying Gravity』。力強く響くこの歌には、どんな想いが込められているのでしょうか。今回は、そんな「Defying Gravity」をテーマにした謎解きを、謎解き作家 常春さんにご用意していただきました。その答えから、歌詞の裏に隠されたメッセージを探っていきましょう。

UM English Lab. 的「Defying Gravity」の謎解き
まずは、「Defying Gravity」を題材にした謎解きを解いてみましょう。

どうでしょう? 答えは見つかりましたか?
この謎の答えは——

その中でも、今回は「社会の重圧」に注目してみましょう。
歌詞を見ていくと、このテーマを裏付けたり、深く意味を与えたりするフレーズが見つかります。
では、「社会の重圧」とは何なのか? そして、それがどのように歌詞の中で表現されているのでしょうか?
歌詞から読み解く「社会の重圧」
「Defying Gravity」の歌詞には、「周りの価値観に縛られず、自分の信じる道を進む」というメッセージが感じられます。特に印象的なフレーズを見てみましょう。

直訳すると「他人のゲームのルールでプレイするのはやめる」となります。
ここでの「ゲーム」は、単なる遊びではなく、「誰かが決めたルール」を指しているのでしょう。このフレーズは、「周りに合わせるのではなく、自分の気持ちを大切にすることが大事だ」というメッセージを投げかけているように感じられます。次は3つのリリックからです。

直訳すると「オズの誰も、今も昔のどんな魔法使いも、決して私を引きずり下ろすことはできない!」映画の中では、エルファバが自分の信じる道を進む決意を固める場面で歌われるが、ここでの「オズの人々」や「魔法使い」は、どんな存在を指しているのでしょうか?たとえば、周りからの期待や「こうあるべき」という考え方などが、それにあたるのかもしれません。他にも、下記のような歌詞が、エルファバの変化と決意をさらに際立たせています。

「Defying Gravity」が伝える本当の意味
「Defying Gravity」を直訳すると「重力をもろともせずに」。でも、この歌が伝えようとしている「重力」は、単なる物理的なものではありません。たとえば、誰かが決めたルールや「こうあるべき」という固定観念、見えないプレッシャー。それらが時に、自分の進みたい道を阻む「重力」にあたるのでしょう。そして、「Defying Gravity」には、「周りにどう思われても、自分の気持ちを大切にして進んでいこう」というメッセージ が込められています。この曲は、そんな「見えない力」に縛られそうになったとき、ふと「それでも、自分の信じる道を進んでいいんだ」と思わせてくれるような気がします。
さて、あなたにとっての「Defying Gravity」は何を意味するのでしょうか?歌詞を改めて読み返しながら、自分が向き合う「重力」について考えてみるのも面白いかもしれません。