「今月の洋楽」では、音楽をさまざまな角度から楽しみながら、その歌詞やメロディ、MV、衣装、そしてアーティストたちの背景に触れていきます。楽曲が持つメッセージを丁寧に読み解くことで、英語の面白さや、世界の多様な価値観にも出会えるかもしれません。
今回取り上げるのは、韓国・スイス・アメリカなど多国籍メンバーで構成された、グローバルガールズグループ・KATSEYE(キャッツアイ)の「Gnarly (ナーリー)」。
謎解き:タピオカティー、テスラ、フライドチキンの共通点は?

この楽曲には、一見無関係に思える要素が次々と登場します。
それらは、ある一つの英単語で、すべてまとめられているのです。
謎解きの答え:「Gnarly (=ヤバい)」
タピオカも、テスラも、フライドチキンも、ハリウッドのパーティーも、すべてが「Gnarly(=ヤバい)」。
歌詞冒頭には、こんな一節があります。

世界をたった一語で言い表す挑戦が始まります。
サビで登場する「Gang(=仲間)」という単語は、Gnarlyなモノ・ヒト・感情をさらにまるごと包み込んでいます。
その自由な発想が、この曲の中心にあります。
スラング:「Gnarly」「Gang」を知る
Gnarly:「ヤバい」「最高」を意味するカジュアルな表現。1970年代のサーフィンカルチャーから生まれた言葉で、もともとは「難しい」「チャレンジング」という意味でも使われていました。
Gang:「仲間」や「チーム」を意味するカジュアル表現。語源は「ギャング」ですが、現在では「my gang(=うちの仲間たち)」のようにポジティブに使われることもあります。
どちらもカジュアルな表現であるため、使う相手や場面には注意が必要です。フォーマルな場面では、次のような言い換えもおすすめです
Gnarly → awesome, epic, cool
Gang → crew, squad, team
英語逆転表現:ネガティブな言葉が「最高!」になる?
この楽曲では、もうひとつ興味深い表現が登場します。
the shit:「最高!」という意味のスラング。文字だけを見ると「最悪」を意味するように見える言葉ですが、英語では文脈によって意味が180度変わることがあります。
※“the” を付けずに “shit” だけで使うとネガティブな意味に変わってしまうため、使用には注意が必要です。
※カジュアルな表現なので、場面や相手を選ぶことも大切です。
同じように、 “bad” が「とても良い」「かっこいい」という意味で使われるケースもあります。
言葉の形だけではなく、その“使われ方”に目を向けてみると、英語の奥深さがより一層見えてきます。
言葉の多様性と文化的背景
「Gnarly」は言語・文化・アイデンティティがミックスされた現代的な感性の楽曲です。
多国籍メンバーで構成されたKATSEYEが発する英語スラングを、世界中のリスナーがSNSで楽しみ、真似し、翻訳し、議論する。そこには、英語学習の枠を超えた“言葉と文化の冒険”が詰まっています。
ぜひこの曲をきっかけに「言葉の裏にある意味」や「言葉の変化の面白さ」に触れてみてください。

メンバーからコメントも到着
そんなKATAEYEからUM English Lab.、そして洋楽を使って英語を学ぶ皆さんへメッセージコメントが到着! アメリカだけではなく、様々なルーツを持ち、英語がネイティブでもないメンバーにどうやって英語を学んだのかなど聞いてみました。(撮影時、ダニエラは不在でしたので5人のコメントです)